iPhoneのデュアルSIM機能を使って、2つの回線を使い分けている方が増えています。仕事用とプライベート用、国内と海外、大手キャリアと格安SIMなど、用途に応じた使い分けが可能です。
「主回線と副回線の切り替え方は?」「どちらを優先して使う?」「デュアルSIMとは?」「設定方法は?」「通話とデータ通信で使い分けできる?」といった疑問を持つ方も多いはずです。デュアルSIM機能は便利ですが、設定が複雑で理解しにくい面もあります。
本記事では、デュアルSIMの基本、物理SIMとeSIMの違い、主回線・副回線の設定方法、通話とデータ通信の切り替え、自動切り替え設定、よくあるトラブルと解決法、そして活用シーンまで、包括的に解説していきます。デュアルSIMを使いこなしたい方、これから利用を検討している方の参考にしていただければ幸いです。
デュアルSIMの基本
デュアルSIMとは
iPhoneのデュアルSIM機能について、基本的な理解を深めましょう。
デュアルSIMの定義 1台のiPhoneで、2つの電話番号(SIMカード)を同時に使用できる機能です。
利用イメージ
- 回線1:070-1111-2222(ドコモ、仕事用)
- 回線2:080-3333-4444(楽天モバイル、プライベート用)
両方の番号で着信を受け、発信時にどちらを使うか選択できます。
デュアルSIMのメリット
1. 2つの番号を使い分け
- 仕事用とプライベート用
- 家族用と個人用
- 国内用と海外用
2. 2つのキャリアを併用
- 大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)+ 格安SIM
- 通話用 + データ通信用
- エリアカバレッジの補完
3. コスト削減
- メイン回線は通話メイン(安いプラン)
- サブ回線はデータメイン(大容量プラン)
4. 海外旅行時
- 日本の番号を維持(着信可能)
- 現地SIMでデータ通信(安価)
5. 通信障害時のバックアップ
- メイン回線が障害時、サブ回線に切り替え
デュアルSIMの種類
1. DSDS(Dual SIM Dual Standby)
- 2つのSIMが同時に待ち受け
- どちらの番号にも着信可能
- ただし、通話中はもう一方は圏外
2. DSDA(Dual SIM Dual Active)
- 2つのSIMが完全に独立動作
- 通話中でももう一方で通信可能
- iPhoneは非対応(一部のAndroidのみ)
iPhoneはDSDSです
対応機種
iPhone XS/XS Max/XR(2018年)以降 すべてのiPhoneがデュアルSIMに対応しています。
対応モデル
- iPhone XS/XS Max/XR(2018年)
- iPhone 11シリーズ(2019年)
- iPhone SE(第2世代、2020年)
- iPhone 12シリーズ(2020年)
- iPhone 13シリーズ(2021年)
- iPhone SE(第3世代、2022年)
- iPhone 14シリーズ(2022年)
- iPhone 15シリーズ(2023年)
- iPhone 16シリーズ(2024年)
iPhone X以前 デュアルSIM非対応です。
SIMの組み合わせ
日本版iPhone(iPhone 13以降)
- 物理SIM(nanoSIM)× 1
- eSIM × 複数(同時使用は1つ)
組み合わせ例
- 物理SIM + eSIM
- eSIM + eSIM(デュアルeSIM)
iPhone 12以前(日本版)
- 物理SIM × 1
- eSIM × 1
中国本土版iPhone(特殊)
- 物理SIM × 2(デュアル物理SIM)
- eSIM非対応
制約事項
同時通話は不可 一方で通話中、もう一方の回線は圏外になります。
5Gの制限(機種による)
- iPhone 12〜13:片方の回線のみ5G、もう一方は4G
- iPhone 14以降:両方の回線で5G可能(設定による)
通信事業者の対応 両方の回線が5Gに対応している必要があります。
物理SIMとeSIM
デュアルSIMを構成する物理SIMとeSIMについて説明します。
物理SIM(nanoSIM)
定義 プラスチックカードに埋め込まれたICチップ。
サイズ
- nanoSIM:12.3mm × 8.8mm(最小サイズ)
- iPhoneはnanoSIMを使用
使い方
- キャリアから物理SIMカードを入手
- iPhoneのSIMトレイに挿入
- 認識されたら使用開始
メリット
- キャリアショップで即日発行
- 機種変更時に差し替えるだけ
- トラブル時に別の端末に挿せる
デメリット
- 紛失・破損のリスク
- SIMトレイの開閉が必要
- 配送を待つ必要があることも
eSIM(embedded SIM)
定義 iPhoneに内蔵された、プログラム可能なSIM。
特徴
- 物理的なカード不要
- デジタルで契約情報を書き込む
- 複数のeSIMプロファイルを保存可能(同時使用は1つ)
使い方
- キャリアのeSIM対応プランに申し込み
- QRコードまたはアクティベーションコードを受け取る
- iPhoneで読み込んで設定
- 数分で開通
メリット
- 即座に開通(待ち時間なし)
- 物理カード不要(紛失リスクなし)
- 複数のeSIMプロファイルを保存
- 海外旅行時に現地eSIMを追加しやすい
デメリット
- すべてのキャリアが対応しているわけではない
- eSIM非対応の古い機種には移行不可
- 設定がやや複雑
eSIM対応キャリア(日本)
主要キャリア
- NTTドコモ
- au(KDDI)
- ソフトバンク
- 楽天モバイル
サブブランド・オンライン専用ブランド
- ahamo(ドコモ)
- povo(au)
- LINEMO(ソフトバンク)
- ワイモバイル
- UQモバイル
MVNO(格安SIM)
- IIJmio
- mineo
- イオンモバイル
- BIGLOBEモバイル
- その他多数
対応状況はキャリアにより異なるため、事前に確認してください。
物理SIMとeSIMの組み合わせ例
パターン1:物理SIM + eSIM
- 物理SIM:ドコモ(メイン)
- eSIM:楽天モバイル(データ用)
パターン2:eSIM + eSIM(デュアルeSIM)
- eSIM1:ahamo(メイン)
- eSIM2:povo(サブ)
iPhone 13以降のみ対応
パターン3:物理SIMのみ
- 物理SIM1つだけ使用
- デュアルSIMを使わない
eSIMの設定方法(概要)
手順
- キャリアからQRコードまたはアクティベーションコードを入手
- 設定 > モバイル通信 > eSIMを追加
- QRコードをスキャン、またはコードを入力
- 画面の指示に従う
- 開通
詳しい設定方法は後述します。
eSIMプロファイルの管理
複数のeSIMを保存 iPhone 13以降は、複数のeSIMプロファイルを保存できます(同時使用は1つ)。
例
- eSIM1:ドコモ(常用)
- eSIM2:楽天モバイル(常用)
- eSIM3:海外旅行用(一時的)
切り替え 設定から簡単に切り替えられます。
主回線と副回線の違い
デュアルSIM使用時の「主回線」と「副回線」の概念を理解しましょう。
主回線と副回線とは
iPhoneでは、2つの回線に以下のような役割を割り当てます。
主回線(デフォルト回線)
- 通話やメッセージの発信時にデフォルトで使用される回線
- データ通信で優先的に使用される回線
副回線(セカンダリ回線)
- サブとして待ち受けている回線
- 着信は可能
- 発信時は手動で選択する必要がある(設定による)
ただし、用語に注意 iPhoneの設定画面では「主回線」「副回線」という表記ではなく、回線に付けた名前(例:「仕事用」「プライベート用」)で表示されます。
設定できる項目
デュアルSIM使用時、以下を個別に設定できます。
1. デフォルトの音声回線 通話を発信する際、どちらの回線を使うか。
2. デフォルトのメッセージ回線 SMSやiMessageを送信する際、どちらの回線を使うか。
3. モバイルデータ通信 インターネット接続(データ通信)にどちらの回線を使うか。
4. モバイルデータ通信の切り替えを許可 音声通話中、もう一方の回線でデータ通信を許可するか。
回線の名称
デフォルト名
- 主回線
- 副回線
カスタム名 設定で変更できます。
例
- 仕事
- プライベート
- ドコモ
- 楽天モバイル
- 国内
- 海外
わかりやすい名前を付けると便利です。
主回線と副回線の動作
着信 両方の回線で着信を受けられます。
例
- 主回線(070-1111-2222)にかかってきた電話:着信
- 副回線(080-3333-4444)にかかってきた電話:着信
発信 設定した「デフォルトの音声回線」が使用されます。
例
- デフォルトの音声回線:主回線
- 電話をかける → 主回線から発信
- 副回線から発信したい場合 → 手動で選択
データ通信 設定した「モバイルデータ通信」の回線が使用されます。
例
- モバイルデータ通信:副回線
- インターネット、アプリのデータ通信 → 副回線を使用
通話中のデータ通信 「モバイルデータ通信の切り替えを許可」を有効にすると、通話中にもう一方の回線でデータ通信できます。
例
- 主回線で通話中
- 「切り替えを許可」オン → 副回線でデータ通信可能
- 「切り替えを許可」オフ → データ通信不可(Wi-Fi利用可)
柔軟な使い分け
デュアルSIMの真の価値は、用途に応じて柔軟に回線を使い分けられることです。
例1:仕事とプライベート
- 主回線(ドコモ):仕事用、通話メイン
- 副回線(楽天モバイル):プライベート用、データメイン
設定
- デフォルトの音声回線:主回線(仕事用)
- モバイルデータ通信:副回線(楽天モバイル、データ無制限)
例2:国内と海外
- 主回線(日本のキャリア):国内用
- 副回線(海外eSIM):海外旅行用
海外滞在中の設定
- デフォルトの音声回線:主回線(日本の番号で着信可能)
- モバイルデータ通信:副回線(現地eSIM、安価)
主回線・副回線の設定方法
初期設定の手順
デュアルSIMの初期設定方法を説明します。
前提条件
- iPhone XS以降の機種
- 2つのSIM(物理SIM + eSIM、またはeSIM + eSIM)
- 両方のキャリアとの契約
手順1:1つ目のSIMを設定
物理SIMの場合
- SIMカードをSIMトレイに挿入
- iPhoneの電源を入れる
- 自動的に認識される
- アクティベーション手続き(キャリアによる)
eSIMの場合
- 設定 > モバイル通信
- 「eSIMを追加」をタップ
- QRコードをスキャン、またはアクティベーションコードを入力
- 画面の指示に従う
手順2:2つ目のSIMを追加
設定 > モバイル通信
- 「eSIMを追加」をタップ(既に1つのSIMがある状態)
QRコードのスキャン 2. カメラが起動するので、キャリアから提供されたQRコードをスキャン
手動入力 「詳細情報を手動で入力」を選択し、アクティベーションコードを入力することもできます。
アクティベーション 3. 画面の指示に従ってアクティベーション
手順3:回線の名称を設定
2つ目のSIMを追加すると、iPhoneが回線の名称設定を促します。
名称の例
- 主回線、副回線(デフォルト)
- 仕事、プライベート
- ドコモ、楽天モバイル
- 個人、法人
わかりやすい名前を付けてください。
後から変更も可能です。
手順4:デフォルトの音声回線を選択
通話を発信する際、どちらの回線を使うか選択します。
選択肢
- 主回線
- 副回線
おすすめ 通話メインの回線、または普段使いの回線を選択します。
手順5:iMessageとFaceTimeの設定
iMessageとFaceTimeで使用する回線を選択します。
選択肢
- 主回線
- 副回線
- 両方
おすすめ 普段使いの回線を選択します。
手順6:モバイルデータ通信の設定
インターネット接続にどちらの回線を使うか選択します。
選択肢
- 主回線
- 副回線
おすすめ データ容量が多い回線、または通信速度が速い回線を選択します。
手順7:モバイルデータ通信の切り替えを許可
通話中に、もう一方の回線でデータ通信を許可するか設定します。
オン
- 通話中でもデータ通信可能(もう一方の回線を使用)
- 便利だが、もう一方の回線のデータ容量を消費
オフ
- 通話中はデータ通信不可(Wi-Fiは利用可能)
- データ節約
おすすめ オンが便利ですが、データ容量に制限がある場合はオフも検討してください。
手順8:完了
設定が完了すると、画面上部のステータスバーに両方の回線の電波状況が表示されます。
表示例
- 左上:主回線(ドコモ 5G、電波4本)
- 右上:副回線(楽天モバイル 4G、電波3本)
設定の確認
設定 > モバイル通信
- 「モバイル通信プラン」に2つの回線が表示される
- それぞれをタップして詳細設定を確認・変更
トラブル時
2つ目のSIMが認識されない
- QRコードが正しいか確認
- キャリアに問い合わせ
- iOSを最新版にアップデート
デュアルSIM設定がうまくいかない
- iPhoneを再起動
- ネットワーク設定をリセット(設定 > 一般 > 転送またはiPhoneをリセット > リセット > ネットワーク設定をリセット)
回線の切り替え方法
デュアルSIM使用時に、主回線と副回線を切り替える方法を説明します。
通話の発信時に回線を選択
方法1:デフォルトの音声回線を使用
通常通り電話アプリで発信すると、設定した「デフォルトの音声回線」が使用されます。
手順
- 電話アプリを開く
- 番号を入力、または連絡先を選択
- 発信ボタンをタップ
- デフォルトの音声回線で発信
方法2:発信時に回線を選択
発信前に、どちらの回線を使うか選択できます。
手順
- 電話アプリで番号を入力、または連絡先を選択
- 発信ボタンを長押し
- 「主回線」または「副回線」を選択
- 選択した回線で発信
または
- 連絡先を開く
- 電話番号の下に「主回線で発信」「副回線で発信」のオプションが表示される
- 選択して発信
方法3:連絡先ごとにデフォルト回線を設定
特定の連絡先には常に特定の回線を使用するよう設定できます。
手順
- 連絡先アプリを開く
- 該当の連絡先を選択
- 「編集」をタップ
- 下にスクロールして「優先回線」を選択
- 「主回線」または「副回線」を選択
- 「完了」をタップ
以降、その連絡先への発信は、設定した回線が優先されます。
データ通信の回線を切り替え
手順
- 設定 > モバイル通信
- 「モバイルデータ通信」をタップ
- 「主回線」または「副回線」を選択
即座に切り替わります。
使用シーン
- 主回線のデータ容量が残り少ない → 副回線に切り替え
- 副回線の通信速度が遅い → 主回線に切り替え
デフォルトの音声回線を変更
手順
- 設定 > モバイル通信
- 「デフォルトの音声回線」をタップ
- 「主回線」または「副回線」を選択
影響 通話発信時のデフォルト回線が変わります。
回線のオン・オフ
一時的に回線をオフにする
- 設定 > モバイル通信
- オフにしたい回線をタップ
- 「この回線をオンにする」をオフ
効果
- 着信・発信不可
- データ通信不可
- もう一方の回線は通常通り使用可能
使用シーン
- 海外で日本の回線をオフにして、ローミング料金を避ける
- 片方の回線を一時的に停止したい
再度オンにする 同じ手順で「この回線をオンにする」をオンにします。
コントロールセンターからの切り替え
残念ながら直接切り替えはできません コントロールセンターから直接、主回線・副回線を切り替える機能はありません。
代替手段
- 設定アプリを開いて切り替え
- ショートカットアプリで設定画面へのショートカットを作成
ショートカットの作成(参考)
- ショートカットアプリを開く
- 新規ショートカット作成
- 「設定を開く」アクションを追加
- 「モバイル通信」を選択
- ホーム画面にショートカットを追加
これで、ワンタップで設定画面を開けます(直接切り替えではありませんが、手間は減ります)。
自動切り替えの設定
デュアルSIMの自動切り替え機能について説明します。
モバイルデータ通信の切り替えを許可
機能 通話中、もう一方の回線で自動的にデータ通信を行います。
設定方法
- 設定 > モバイル通信
- データ通信に使用していない回線をタップ
- 「モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオン
例
- モバイルデータ通信:副回線(楽天モバイル)
- 主回線(ドコモ)で通話中
- 「切り替えを許可」オン → 通話中でも楽天モバイルでデータ通信可能
メリット
- 通話中でもインターネット利用可能
- 地図アプリ、メールなどを同時利用
デメリット
- もう一方の回線のデータ容量を消費
- 両方の回線が4G/5Gエリア内である必要
注意点
- 通話中の回線が5Gの場合、データ通信回線は4Gになることがある(機種による)
自動的な回線切り替え(音声通話)
着信時 かかってきた回線で自動的に着信します。
例
- 主回線にかかってきた → 主回線で応答
- 副回線にかかってきた → 副回線で応答
ユーザーの操作不要です。
発信時 設定した「デフォルトの音声回線」が自動的に使用されます。
変更したい場合 前述の方法で、発信前に回線を選択できます。
連絡先ごとの優先回線 設定した優先回線が自動的に使用されます。
自動的な回線切り替え(データ通信)
基本的に自動切り替えはありません 「モバイルデータ通信」で設定した回線が常に使用されます。
例外:通話中 「モバイルデータ通信の切り替えを許可」がオンの場合、通話中は自動的にもう一方の回線でデータ通信します。
ローミング時の自動切り替え
海外での動作
- 主回線(日本のキャリア):ローミング(高額)
- 副回線(現地eSIM):データ通信
設定
- 主回線のデータローミングをオフ
- 設定 > モバイル通信 > 主回線 > データローミング オフ
- モバイルデータ通信を副回線(現地eSIM)に設定
効果 日本の番号で着信は受けられるが、データ通信は現地eSIMを使用(コスト削減)
5Gの自動切り替え(機種による)
iPhone 14以降 両方の回線で5Gスタンドアロン(5G SA)を有効にできます。
設定
- 設定 > モバイル通信
- 各回線をタップ
- 音声通話とデータ > 5Gスタンドアロン をオン
効果 両方の回線で5Gを同時に使用可能(キャリア対応が必要)
iPhone 13以前 片方の回線のみ5G、もう一方は4Gに制限されます。
通信障害時の自動切り替え
残念ながら、完全自動切り替えは不可 主回線が通信障害の場合、自動的に副回線に切り替わることはありません。
手動切り替えが必要 前述の方法で、データ通信回線を手動で切り替えてください。
ただし 通話の着信は、両方の回線で可能です(どちらかが使えれば着信できる)。
Apple WatchでのデュアルSIM
Apple Watch(セルラーモデル) iPhoneのデュアルSIM設定がApple Watchに反映されます。
動作
- iPhoneと同じ「デフォルトの音声回線」を使用
- Apple Watch単体での回線切り替えは制限的
詳細はAppleのサポートページを参照してください。
よくあるトラブルと解決法
着信・発信のトラブル
デュアルSIM使用時の着信・発信に関するトラブルと解決法です。
トラブル1:片方の回線で着信できない
症状 主回線にはかかってくるが、副回線にかかってこない。
原因と解決法
原因1:回線がオフになっている
- 確認:設定 > モバイル通信 > 副回線 > この回線をオンにする
- 解決:オンにする
原因2:機内モードがオン
- 確認:画面上部、またはコントロールセンター
- 解決:機内モードをオフ
原因3:電波が届いていない
- 確認:ステータスバーで副回線の電波状況を確認
- 解決:電波が良い場所に移動、またはキャリアに問い合わせ
原因4:通話中
- デュアルSIMはDSDSのため、一方で通話中はもう一方は圏外
- 解決:通話を終了すれば、再度着信可能になる
原因5:キャリアの問題
- SIMの不具合、契約の問題
- 解決:キャリアに問い合わせ
トラブル2:発信時にどちらの回線か分からない
症状 電話をかけたが、どちらの回線を使っているか不明。
解決法
通話中に確認 通話中、画面上部に使用している回線名が表示されます。
例 「主回線で通話中」「副回線で通話中」
発信前に確認 発信ボタンを長押しして、回線を選択する画面で確認できます。
連絡先に優先回線を設定 前述の方法で、連絡先ごとに優先回線を設定すれば、毎回迷わずに済みます。
トラブル3:発信できない
症状 電話をかけようとするが、エラーが出る。
原因と解決法
原因1:回線がオフ
- 解決:設定で回線をオンにする
原因2:残高不足(プリペイド)
- 解決:チャージする
原因3:圏外
- 解決:電波が良い場所に移動
原因4:通話中
- 一方で通話中、もう一方から発信しようとしている
- 解決:通話を終了してから発信
トラブル4:相手に番号が通知されない
症状 電話をかけたが、相手に番号が表示されない(非通知)。
原因と解決法
発信者番号通知がオフ
- 確認:設定 > 電話 > 発信者番号通知
- 解決:オンにする
キャリアの設定
- 一部のキャリアでは、契約時に番号通知を設定
- 解決:キャリアに問い合わせ
トラブル5:着信履歴にどちらの回線か表示されない
症状 電話アプリの履歴を見ても、どちらの回線で着信したか分からない。
解決法
実は表示されています 着信履歴の右側に、小さく回線名(主回線、副回線など)が表示されています。
見落としやすいので、注意深く確認してください。
データ通信のトラブル
デュアルSIM使用時のデータ通信に関するトラブルと解決法です。
トラブル1:インターネットに繋がらない
症状 Wi-Fiをオフにすると、インターネットに接続できない。
原因と解決法
原因1:モバイルデータ通信がオフ
- 確認:設定 > モバイル通信 > モバイルデータ通信の回線が選択されているか
- 解決:どちらかの回線を選択
原因2:選択した回線がオフ
- 確認:設定 > モバイル通信 > データ通信に使用している回線 > この回線をオンにする
- 解決:オンにする
原因3:データ容量超過
- 契約しているデータ容量を使い切った
- 解決:データを追加購入、または翌月を待つ、またはもう一方の回線に切り替え
原因4:圏外
- 電波が届いていない
- 解決:電波が良い場所に移動
原因5:APN設定
- APN(アクセスポイント名)が正しく設定されていない
- 解決:キャリアの指示に従ってAPN設定を確認・修正
トラブル2:データ通信が遅い
症状 モバイルデータ通信の速度が非常に遅い。
原因と解決法
原因1:ネットワークの混雑
- 時間帯や場所により混雑
- 解決:時間をずらす、場所を移動
原因2:速度制限
- データ容量超過後の速度制限
- 解決:データ追加購入、またはもう一方の回線に切り替え
原因3:4G/5Gエリア外
- 3Gエリアにいる
- 解決:4G/5Gエリアに移動
原因4:もう一方の回線を優先
- より速い回線に切り替える
- 解決:設定 > モバイル通信 > モバイルデータ通信 で回線を切り替え
トラブル3:通話中にデータ通信できない
症状 通話中、インターネットが使えない。
原因と解決法
原因:「モバイルデータ通信の切り替えを許可」がオフ
- 解決:設定 > モバイル通信 > 通話に使っていない回線 > モバイルデータ通信の切り替えを許可 をオン
注意 両方の回線が4G/5Gエリアにある必要があります。
トラブル4:データ容量が急激に減る
症状 予想以上にデータ容量を消費している。
原因と解決法
原因1:間違った回線を使用
- データ容量が少ない回線でデータ通信している
- 解決:データ容量が多い回線に切り替える
原因2:「モバイルデータ通信の切り替えを許可」がオン
- 通話中、もう一方の回線でデータ通信している
- 解決:オフにする(ただし通話中はデータ通信不可になる)
原因3:バックグラウンド通信
- アプリが裏で大量にデータ通信
- 解決:設定 > モバイル通信 > 各アプリのモバイルデータ通信をオフ
原因4:自動ダウンロード
- App、音楽、ビデオなどの自動ダウンロード
- 解決:設定 > App Store > 自動ダウンロードをオフ、またはWi-Fi接続時のみに設定
データ使用量の確認 設定 > モバイル通信 > スクロールダウンして各アプリのデータ使用量を確認
設定が反映されないトラブル
設定を変更したのに反映されない場合のトラブルシューティングです。
トラブル1:回線を切り替えたのに変わらない
症状 モバイルデータ通信の回線を切り替えたが、インターネットが繋がらない、または前の回線のまま。
解決法
1. 機内モードのオン・オフ
- コントロールセンターから機内モードをオン
- 数秒待つ
- オフに戻す
効果:ネットワーク接続をリセット
2. iPhoneを再起動
- 電源を切って再起動
3. ネットワーク設定をリセット
- 設定 > 一般 > 転送またはiPhoneをリセット > リセット > ネットワーク設定をリセット
- 注意:Wi-Fiパスワードなどが削除されます
トラブル2:デフォルトの音声回線を変更したのに反映されない
症状 デフォルトの音声回線を変更したが、発信時に前の回線が使われる。
原因と解決法
原因1:連絡先に優先回線が設定されている
- 連絡先ごとの優先回線設定が、デフォルト設定より優先される
- 解決:連絡先アプリで該当の連絡先の「優先回線」を確認・変更
原因2:発信時に手動で回線を選択している
- 発信ボタンを長押しして回線を選択している
- 解決:通常通りタップすれば、デフォルト回線が使用される
トラブル3:eSIMが認識されない
症状 eSIMを追加したが、iPhoneが認識しない。
解決法
1. QRコードを再スキャン
- 正しいQRコードか確認
- 明るい場所で再スキャン
2. 手動入力
- キャリアから提供されたアクティベーションコードを手動入力
3. iOSを最新版にアップデート
- 設定 > 一般 > ソフトウェアアップデート
4. キャリアに問い合わせ
- eSIMプロファイルに問題がある可能性
5. iPhoneを再起動
トラブル4:片方の回線が「圏外」のまま
症状 主回線は正常だが、副回線が常に「圏外」と表示される。
原因と解決法
原因1:回線がオフ
- 解決:設定 > モバイル通信 > 副回線 > この回線をオンにする
原因2:SIMの不具合
- 物理SIMの場合:SIMカードを抜き差し
- eSIMの場合:eSIMプロファイルを削除して再追加
原因3:キャリアのエリア外
- 副回線のキャリアのエリア外にいる
- 解決:エリア内に移動、またはキャリアに確認
原因4:SIMロック
- iPhoneがSIMロックされていて、副回線のキャリアが使えない
- 解決:SIMロック解除をキャリアに依頼
トラブル5:設定メニューに「モバイル通信」が表示されない
症状 設定アプリに「モバイル通信」の項目がない。
原因と解決法
原因:機能制限(スクリーンタイム)
- 「モバイルデータ通信の変更」が許可されていない
- 解決:設定 > スクリーンタイム > コンテンツとプライバシーの制限 > 許可されたApp の変更 > モバイルデータ通信の変更 を許可
iPhoneの管理者(保護者など)に確認してください。
デュアルSIMの活用シーン
仕事とプライベートの使い分け
デュアルSIMを使った仕事とプライベートの回線使い分け方法です。
活用例1:電話番号を完全に分ける
設定
- 主回線:仕事用(ドコモ、法人契約)
- 副回線:プライベート用(楽天モバイル、個人契約)
設定詳細
- デフォルトの音声回線:主回線(仕事用)
- 業務時間中は主回線から発信
- モバイルデータ通信:副回線(楽天モバイル)
- データ無制限プラン活用
メリット
- 仕事とプライベートの番号が完全に分離
- 業務時間外は主回線をオフにすることも可能
- データ通信は無制限プラン活用でコスト削減
連絡先の管理
- 仕事関連の連絡先:優先回線を「主回線」に設定
- プライベートの連絡先:優先回線を「副回線」に設定
活用例2:通話とデータを別キャリアで最適化
設定
- 主回線:大手キャリア(通話定額プラン、データ1GB)
- 副回線:格安SIM(データ20GB)
設定詳細
- デフォルトの音声回線:主回線
- 通話定額を活かす
- モバイルデータ通信:副回線
- 大容量データプラン活用
メリット
- 通話は高品質な大手キャリア
- データ通信は格安SIMで安価に大容量
- 総合的なコスト削減
活用例3:会社支給とプライベート
状況
- 会社からiPhoneとSIMカードが支給されている
- プライベート用にも携帯が欲しい
設定
- 主回線:会社支給(物理SIM)
- 副回線:プライベート用(eSIM)
メリット
- 1台のiPhoneで完結
- 2台持ち歩く必要なし
- 業務時間外は主回線をオフにできる
注意点 会社の規定を確認してください(私用eSIMの追加が許可されているか)。
活用例4:時間帯で使い分け
業務時間中
- デフォルトの音声回線:主回線(仕事用)
- 発信は主回線から
業務時間外
- デフォルトの音声回線:副回線(プライベート用)に変更
- または主回線をオフ
手動切り替えが必要 設定 > モバイル通信 > デフォルトの音声回線 から変更します。
自動化の工夫
- ショートカットアプリで時間帯による自動切り替えを設定できる可能性(高度な設定が必要)
- または、毎日手動で切り替える習慣をつける
国内と海外の使い分け
デュアルSIMを使った国内・海外での回線使い分け方法です。
活用例1:海外旅行時に現地eSIMを追加
国内(出発前)
- 主回線:日本のキャリア(ドコモなど)
海外到着後
- 主回線:日本のキャリア(着信のみ受ける)
- 副回線:現地eSIM(データ通信用)
設定手順
1. 出発前
- 現地eSIMをオンラインで購入(Airalo、Ubigi、TRAVeSIMなど)
- QRコードを受け取る
2. 現地到着後
- 設定 > モバイル通信 > eSIMを追加
- QRコードをスキャンして現地eSIMを追加
3. 設定変更
- 主回線(日本):データローミングをオフ
- 設定 > モバイル通信 > 主回線 > データローミング オフ
- モバイルデータ通信:副回線(現地eSIM)
- デフォルトの音声回線:主回線(日本の番号で着信可能)
メリット
- 日本の番号で着信を受けられる(緊急連絡など)
- データ通信は現地eSIMで安価
- 国際ローミング料金を回避
コスト比較
- 国際ローミング(ドコモなど):1日約3,000円
- 現地eSIM:1週間約1,000〜3,000円
活用例2:海外在住で日本の番号を維持
状況
- 海外に住んでいるが、日本の電話番号を維持したい
設定
- 主回線:日本のキャリア(楽天モバイルなど、最低維持費が安い)
- 副回線:現地キャリア(メイン使用)
設定詳細
- デフォルトの音声回線:副回線(現地)
- モバイルデータ通信:副回線(現地)
- 主回線(日本):着信のみ
メリット
- 日本の番号を維持(銀行、各種サービスの登録)
- 日本からの電話を受けられる
- 現地の回線をメインに使用
活用例3:頻繁に海外出張
国内
- 主回線のみ使用(日本のキャリア)
海外出張
- 主回線:日本のキャリア(データローミングオフ)
- 副回線:事前に購入した海外eSIM
複数国対応eSIM
- 一部のeSIMは複数国で使える(ヨーロッパ周遊eSIMなど)
- 頻繁に出張する方に便利
活用例4:一時帰国
状況
- 海外在住で、日本に一時帰国
設定
- 主回線:海外キャリア(オフにする、または着信のみ)
- 副回線:日本のプリペイドSIMまたはeSIM(一時的に追加)
日本のプリペイドeSIM例
- IIJmio(データ専用eSIM)
- Japan Welcome SIM
メリット
- 短期間だけ日本の回線を使用
- 帰国後は簡単に削除
コスト削減の活用法
デュアルSIMを使ったコスト削減の方法です。
活用例1:大手キャリア + 格安SIM
組み合わせ例
- 主回線:大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)
- 通話定額プラン、データ1GB
- 月額約3,000円
- 副回線:格安SIM(楽天モバイル、mineo、IIJmioなど)
- データ専用または音声付き、20GB
- 月額約1,000〜2,000円
設定
- デフォルトの音声回線:主回線(通話定額活用)
- モバイルデータ通信:副回線(大容量データ)
メリット
- 通話は高品質
- データは格安で大容量
- 総額:月額約4,000〜5,000円(大手キャリア単独より安い)
活用例2:楽天モバイル + サブ回線
組み合わせ例
- 主回線:楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VII)
- データ無制限、通話定額(Rakuten Link使用)
- 月額3,278円(無制限使用時)
- 副回線:povo 2.0(基本料0円、トッピング制)
- 緊急時のバックアップ
- 月額0円(使用しない月)
メリット
- メインは楽天モバイルで無制限
- 楽天エリア外や通信障害時はpovoに切り替え
- povo は使った分だけ支払い
活用例3:家族でデータシェア
組み合わせ例
- 主回線:自分名義のキャリア回線
- 副回線:家族のデータシェアSIM
一部のキャリアで可能
- IIJmioなど、データシェアSIMを発行できるMVNO
メリット
- 家族でデータ容量をシェア
- コスト削減
活用例4:通話専用 + データ専用
組み合わせ例
- 主回線:通話専用プラン(日本通信SIMなど)
- 通話定額、データほぼなし
- 月額約1,000円
- 副回線:データ専用eSIM(IIJmioなど)
- 20GB
- 月額約1,500円
設定
- デフォルトの音声回線:主回線
- モバイルデータ通信:副回線
総額 月額約2,500円(大手キャリアの半額以下)
活用例5:キャンペーン活用
0円キャンペーン
- povo 2.0:基本料0円(トッピングなし)
- 楽天モバイル:3GB以下なら月額1,078円
戦略
- メイン回線は普通に契約
- サブ回線は0円〜低額プランでバックアップ
活用例6:データ容量の最適化
状況
- 月によってデータ使用量が大きく変動
設定
- 主回線:従量制プラン(使った分だけ)
- 副回線:大容量プラン
使い方
- 通常月:主回線でデータ通信(少量)
- 大量使用月:副回線に切り替え
メリット
- 無駄なくデータ容量を使用
- コスト最適化
注意点
- 月額料金の合計を計算
- 本当に節約になるか確認
- 管理の手間を考慮
コスト削減の具体例
従来(大手キャリア単独)
- ドコモ 5Gギガホ プレミア(無制限)
- 月額約7,315円
デュアルSIM活用
- 主回線:ドコモ(通話定額、データ1GB):約3,000円
- 副回線:mineo(20GB):約1,925円
- 合計:約4,925円
節約額 月額約2,390円、年間約28,680円
iPhone主回線副回線切り替えまとめ
デュアルSIM活用の総合ガイド
今回はiPhoneの主回線・副回線切り替えとデュアルSIM機能について詳しく解説しました。以下に要点をまとめます。
・デュアルSIMは1台のiPhoneで2つの電話番号を同時に使用できる機能である
・iPhone XS以降のすべての機種がデュアルSIMに対応している
・物理SIMとeSIMまたはeSIM2つの組み合わせで使用できる
・iPhone 13以降はデュアルeSIMに対応し物理SIMなしでも2回線使える
・主回線と副回線は通話データ通信それぞれ個別に設定可能である
・デフォルトの音声回線を設定すれば通話発信時に自動的に使用される
・モバイルデータ通信の回線は設定から簡単に切り替えられる
・連絡先ごとに優先回線を設定すれば特定の相手には常に指定回線を使用できる
・通話中のデータ通信切り替えを許可すればもう一方の回線でネット利用可能である
・発信時に回線を選択したい場合は発信ボタンを長押しすれば選択できる
・eSIMの設定はQRコードをスキャンするだけで数分で完了する
・主要キャリアとMVNOの多くがeSIMに対応している
・仕事とプライベートで番号を分けたり通話とデータで回線を使い分けできる
・海外旅行時は現地eSIMを追加すればローミング料金を節約できる
・大手キャリアと格安SIMを組み合わせれば月額料金を大幅に削減できる
iPhoneのデュアルSIM機能を使えば、1台の端末で2つの電話番号を同時に運用でき、仕事とプライベートの使い分け、通話用とデータ通信用の最適化、国内と海外の回線管理、コスト削減など、様々なメリットが得られます。この機能はiPhone XS、XS Max、XR(2018年発売)以降のすべてのiPhoneで利用可能で、物理SIM(nanoSIM)とeSIMの組み合わせ、またはiPhone 13以降ではeSIM2つの組み合わせ(デュアルeSIM)で2回線を同時待ち受けできます。eSIMは物理カードが不要なデジタルSIMで、キャリアから提供されるQRコードをiPhoneのカメラでスキャンするだけで数分で開通し、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどの主要キャリアはもちろん、ahamo、povo、LINEMO、UQモバイル、ワイモバイル、IIJmio、mineoなど多くの格安SIMやMVNOも対応しています。デュアルSIM使用時は、デフォルトの音声回線(通話発信時にどちらを使うか)、モバイルデータ通信(インターネット接続にどちらを使うか)、通話中のデータ通信切り替え許可などを個別に設定でき、設定アプリのモバイル通信から簡単に変更できます。通話の発信時は、通常はデフォルトの音声回線が使用されますが、発信ボタンを長押しすることで毎回どちらの回線を使うか選択することもでき、さらに連絡先アプリで特定の連絡先に対して優先回線を設定すれば、その相手には常に指定した回線を使用できます。データ通信の回線切り替えは設定>モバイル通信>モバイルデータ通信から主回線または副回線を選択するだけで即座に切り替わり、主回線のデータ容量が残り少なくなったら副回線に切り替えるといった使い方ができます。通話中のデータ通信については、「モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオンにすると、一方の回線で通話中でももう一方の回線でインターネット利用が可能になり、通話しながら地図アプリやメールを使えて便利ですが、もう一方の回線のデータ容量を消費する点に注意が必要です。実際の活用シーンとしては、仕事用とプライベート用で番号を完全に分離し、業務時間外は仕事用回線をオフにする、通話は大手キャリアの定額プランで品質重視、データ通信は格安SIMの大容量プランでコスト削減という組み合わせ、海外旅行時に日本の番号は着信のみ維持しながら現地eSIMでデータ通信することでローミング料金(1日約3,000円)を回避し現地eSIM(1週間約1,000〜3,000円)で大幅節約、楽天モバイル(データ無制限)をメインにしてpovo 2.0(基本料0円)をバックアップとして持つことで通信障害時のリスクヘッジとコスト最適化を同時実現するなど、多様な使い方が可能です。コスト面では、大手キャリア単独で月額約7,000円かかっていたところを、通話定額の主回線(月額約3,000円)とデータ20GBの副回線(月額約2,000円)の組み合わせで合計約5,000円に削減でき、年間約24,000円の節約になります。設定方法は、既に1つのSIMが入っている状態で設定>モバイル通信>eSIMを追加からQRコードをスキャンし、回線に名前を付け(仕事、プライベートなど)、デフォルトの音声回線とモバイルデータ通信を選択するだけで完了し、初めてでも10分程度で設定できます。トラブル時の対処法としては、回線切り替えが反映されない場合は機内モードのオン・オフまたはiPhoneの再起動、片方の回線で着信できない場合は回線がオンになっているか確認、データ通信が遅い場合はより速い回線に切り替えるなどの方法で解決できることが多く、それでも解決しない場合はネットワーク設定のリセット(Wi-Fiパスワードが削除される点に注意)を試してみてください。
コメント