iPhoneの初期化をパソコン(PC)で行う方法について、詳しく知りたい方は多いでしょう。iPhone本体からも初期化できますが、パソコンを使う方法には独自のメリットがあります。
「パソコンからiPhoneを初期化する方法は?」「MacとWindowsで手順は違う?」「パソコンで初期化するメリットは何?」「iTunesとFinderの違いは?」といった疑問を持つ方も少なくありません。パソコンを使った初期化は、より徹底的で、トラブル時の対処法としても有効です。
パソコンを使った初期化には、通常の復元、リカバリーモードからの復元、DFUモードからの復元など、複数の方法があります。また、事前準備、バックアップ、初期化後の設定など、知っておくべきポイントも多数あります。本記事では、パソコンを使ったiPhoneの初期化方法、MacとWindowsでの手順の違い、メリットとデメリット、トラブルシューティング、そしてよくある質問への回答まで、包括的に解説していきます。パソコンでiPhoneを初期化したい方、より確実な方法を知りたい方の参考にしていただければ幸いです。
パソコンでiPhoneを初期化する基礎知識
パソコン初期化のメリット
パソコンを使ってiPhoneを初期化することには、iPhone本体からの初期化にはない多くのメリットがあります。
メリット1:より徹底的な初期化 パソコンからの初期化は、iOSファームウェアを完全に再インストールするため、より徹底的にクリーンな状態にできます。
メリット2:トラブル時の対処が可能 iPhoneが正常に起動しない、操作できない場合でも、パソコンから初期化できます。リカバリーモードやDFUモードを使えば、ほとんどの問題を解決できます。
メリット3:バックアップが高速 USB接続によるバックアップは、iCloudバックアップより高速で安定しています。大容量のデータも効率的に保存できます。
メリット4:復元も高速 バックアップからの復元も、パソコン経由の方が高速です。インターネット速度に依存しないため、安定して短時間で完了します。
メリット5:iOSの更新と同時実行 初期化と同時に最新のiOSにアップデートできます。古いiOSで問題が発生している場合に有効です。
メリット6:ローカルに完全バックアップ パソコンのストレージに完全なバックアップを保存できます。iCloudの容量制限を気にする必要がありません。
メリット7:暗号化バックアップが可能 パスワード、ヘルスケアデータ、Wi-Fiパスワードなども含めた完全なバックアップを暗号化して保存できます。
メリット8:オフラインで実行可能 インターネット接続が不要(初回iOSダウンロード後)なので、ネットワーク環境が悪い場所でも実行できます。
メリット9:複数のバックアップ保存 複数の日付のバックアップをパソコンに保存しておけば、好きな時点に復元できます。
デメリットも理解する
- パソコンが必要
- USBケーブルが必要
- 初回はiOSのダウンロードに時間がかかる
- パソコンのストレージ容量が必要
必要なもの
パソコンでiPhoneを初期化するために必要なものを確認しましょう。
1. パソコン MacまたはWindows PCが必要です。
Macの場合
- macOS Catalina(10.15)以降:Finderを使用
- macOS Mojave(10.14)以前:iTunesを使用
Windowsの場合
- Windows 10以降を推奨
- iTunesをインストール
2. USBケーブル iPhoneとパソコンを接続するケーブルが必要です。
ケーブルの種類
- iPhone 14以前:Lightning to USBケーブル
- iPhone 15以降:USB-C to USBケーブル(モデルによる)
純正または認証品を推奨 非純正の安価なケーブルでは、接続が不安定になることがあります。Apple純正またはMFi認証(Made for iPhone)のケーブルを使用してください。
3. iTunes(Windowsまたは古いMac) Windows PCまたは古いMacでは、iTunesのインストールが必要です。
ダウンロード先
- Windowsの場合:Microsoft StoreまたはApple公式サイト
- 古いMacの場合:Apple公式サイト
最新版を使用 古いバージョンのiTunesでは、新しいiPhoneを認識できないことがあります。最新版にアップデートしてください。
4. Finder(macOS Catalina以降) macOS Catalina以降では、iTunesが廃止され、Finderがその役割を担います。追加のインストールは不要です。
5. 安定した電源
- iPhoneは50%以上充電しておく
- パソコンも電源に接続しておく
- 初期化中の電源切断を防ぐ
6. 十分なストレージ容量(パソコン側) バックアップを保存する場合、パソコンに十分な空き容量が必要です。
必要な容量の目安
- iPhoneの使用容量と同じ程度
- 64GBのiPhoneなら、最大64GB
- 余裕を持って、使用量の1.5倍程度を確保
7. インターネット接続(初回のみ) 初めて初期化する場合、またはiOSを更新する場合、iOSファームウェアのダウンロードにインターネット接続が必要です。
ダウンロードサイズ 約5〜7GB程度です。
8. Apple IDとパスワード 初期化後の設定に必要なので、事前に確認しておきます。
MacとWindowsの違い
MacとWindowsでは、iPhoneの初期化手順に若干の違いがあります。
Mac(macOS Catalina以降)
使用するアプリ:Finder iTunesは廃止され、Finderが iPhone管理を担当します。
特徴
- macOSに標準搭載
- 追加インストール不要
- シンプルなインターフェース
- iCloudとの統合が優れている
Mac(macOS Mojave以前)
使用するアプリ:iTunes 古いMacでは、iTunesを使用します。
特徴
- Windowsと同じインターフェース
- 音楽管理機能も含まれる
Windows
使用するアプリ:iTunes Windows PCでは、必ずiTunesを使用します。
インストール方法
- Microsoft Storeから(推奨)
- Apple公式サイトからダウンロード
特徴
- Windowsユーザーに馴染みのあるインターフェース
- 機能的にはMac版と同等
主な違いのまとめ
項目 | Mac(Catalina以降) | Mac(Mojave以前) | Windows |
---|---|---|---|
アプリ | Finder | iTunes | iTunes |
インストール | 不要 | 不要 | 必要 |
基本機能 | 同じ | 同じ | 同じ |
UI | macOS風 | iTunes風 | Windows風 |
操作の違い 基本的な初期化の手順は、どのプラットフォームでもほぼ同じです。画面のデザインや用語が若干異なる程度です。
本記事での表記 以降の説明では、「Finder/iTunes」または「Finder(iTunes)」のように併記します。MacならFinder、WindowsならiTunesと読み替えてください。
iTunes/Finderの準備
パソコンでiPhoneを初期化する前に、iTunes(Windows/古いMac)またはFinder(新しいMac)の準備をしましょう。
Windowsの場合:iTunesのインストール
方法1:Microsoft Storeから(推奨)
- Microsoft Storeを開く
- 「iTunes」で検索
- 「入手」をクリック
- インストール完了を待つ
メリット
- 自動アップデートされる
- インストールが簡単
- Windows 11との互換性が良い
方法2:Apple公式サイトから
- https://www.apple.com/jp/itunes/ にアクセス
- 「ダウンロード」をクリック
- ダウンロードしたファイルを実行
- 画面の指示に従ってインストール
メリット
- Windows 7/8でも使用可能
- 完全版がインストールされる
iTunesの起動 インストール後、スタートメニューからiTunesを起動します。
Macの場合(macOS Catalina以降)
準備不要 Finderは標準搭載されているため、追加の準備は不要です。
確認方法 Finderを開き、サイドバーに「場所」セクションがあることを確認します。iPhoneを接続すると、ここに表示されます。
Macの場合(macOS Mojave以前)
iTunesの確認 iTunesは標準搭載されていますが、最新版にアップデートしておきましょう。
アップデート方法
- iTunesを起動
- メニューバー > iTunes > アップデートを確認
- 利用可能なアップデートがあればインストール
または
- App Storeを開く
- アップデートタブを確認
- iTunesのアップデートがあればインストール
最新版の確認 iTunes > iTunes について で、現在のバージョンを確認できます。
共通の準備
Apple Mobile Device Supportの確認 iTunes(またはFinder)がiPhoneを認識するために必要なコンポーネントです。
Windows iTunesと一緒に自動的にインストールされます。
Mac macOSに標準搭載されています。
認識しない場合 iTunesを再インストールするか、Apple Mobile Device Supportを個別に再インストールします。
PCの再起動 iTunesをインストールした後、またはアップデートした後は、PCを再起動することを推奨します。
パソコンを使った初期化の手順
事前準備:バックアップの作成
初期化する前に、必ずバックアップを作成しましょう。パソコンを使ったバックアップは高速で確実です。
バックアップの重要性 初期化すると、iPhone内のすべてのデータが削除されます。バックアップがないと、データは永久に失われます。
Macでのバックアップ(macOS Catalina以降)
手順
- iPhoneをMacにUSBケーブルで接続
- Finderウィンドウが自動的に開く(開かない場合は、Finderを開く)
- サイドバーの「場所」セクションでiPhoneを選択
- 「一般」タブを選択(デフォルトで表示されている)
- 「このMacにバックアップする」を選択
- (オプション)「ローカルバックアップを暗号化」にチェック
- 「今すぐバックアップ」をクリック
暗号化バックアップについて チェックを入れると、パスワードの設定を求められます。暗号化すると、以下のデータも保存されます。
- 保存されたパスワード
- Wi-Fiの設定
- ウェブサイトの履歴
- ヘルスケアデータ
**重要:**パスワードを忘れるとバックアップを復元できません。必ず記録しておいてください。
Windowsでのバックアップ(iTunesを使用)
手順
- iPhoneをPCにUSBケーブルで接続
- iTunesを起動(自動的に起動しない場合)
- 画面左上のiPhoneアイコンをクリック
- 「概要」タブを選択
- バックアップセクションで「このコンピュータ」を選択
- (オプション)「ローカルバックアップを暗号化」にチェック
- 「今すぐバックアップ」をクリック
暗号化バックアップ Macの場合と同様に、チェックを入れるとパスワード設定が求められます。
Macでのバックアップ(macOS Mojave以前)
手順
- iPhoneをMacにUSBケーブルで接続
- iTunesを起動
- 画面左上のiPhoneアイコンをクリック
- 「概要」タブを選択
- バックアップセクションで「このコンピュータ」を選択
- (オプション)「iPhoneのバックアップを暗号化」にチェック
- 「今すぐバックアップ」をクリック
バックアップの所要時間
- 初回:30分〜2時間(データ量による)
- 2回目以降の差分:10分〜30分
バックアップの保存場所
Mac ~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/
Windows
- Windows 10/11: C:\Users[ユーザー名]\Apple\MobileSync\Backup\
- Microsoft Store版iTunes: C:\Users[ユーザー名]\Apple\MobileSync\Backup\
バックアップの確認 「最新のバックアップ」の日時を確認し、今作成したバックアップが表示されていることを確認してください。
通常の初期化手順
最も一般的な、パソコンからの初期化手順を説明します。
Macでの初期化(macOS Catalina以降)
手順1:iPhoneを接続 USBケーブルでiPhoneをMacに接続します。
手順2:Finderを開く Finderウィンドウが自動的に開きます。開かない場合は、Finderを起動し、サイドバーでiPhoneを選択します。
手順3:「一般」タブを確認 デフォルトで「一般」タブが表示されています。
手順4:「iPhoneを復元」をクリック 画面中央の「iPhoneを復元…」ボタンをクリックします。
手順5:確認ダイアログ 「本当にiPhone “[名前]” を工場出荷時の設定に復元してもよろしいですか?」というメッセージが表示されます。
重要な注意
- すべてのメディアとデータが消去されます
- 最新バージョンのiOSに更新されます(アップデートがある場合)
手順6:「復元」をクリック 確認ダイアログで「復元」をクリックします。
手順7:再確認 もう一度確認メッセージが表示されることがあります。「復元」をクリックして続行します。
手順8:iOSのダウンロード(必要な場合) 初めて復元する場合、または新しいiOSバージョンがある場合、iOSファームウェアがダウンロードされます。
ダウンロード時間 約5〜7GBのファイルをダウンロードするため、インターネット速度により15分〜1時間程度かかります。
手順9:復元の実行 iOSのダウンロードが完了すると、自動的に復元(初期化)が開始されます。
所要時間 10〜30分程度です。進行状況がiPhone画面とMac画面の両方に表示されます。
手順10:完了 復元が完了すると、iPhoneが再起動し、「こんにちは」の画面が表示されます。
Windowsでの初期化(iTunesを使用)
手順 基本的にMacと同じですが、iTunesを使用します。
詳細手順
- iPhoneをPCに接続
- iTunesを起動
- 画面左上のiPhoneアイコンをクリック
- 「概要」タブを選択
- 「iPhoneを復元…」をクリック
- 確認ダイアログで「復元」をクリック
- 再確認で「復元」をクリック
- iOSのダウンロード(必要な場合)
- 復元の実行
- 完了後、「こんにちは」画面が表示
Macでの初期化(macOS Mojave以前)
iTunesを使用するため、Windowsの手順と同じです。
「iPhoneを探す」のオフについて
従来は、初期化前に「iPhoneを探す」を手動でオフにする必要がありましたが、現在のiOS/macOS/iTunesでは、復元プロセス中に自動的に処理されます。ただし、Apple IDのパスワード入力が求められることがあります。
復元中の注意事項
- iPhoneを接続したまま保つ
- PCの電源を切らない
- iTunesやFinderを終了しない
- 完了まで待つ(途中で中断しない)
リカバリーモードでの初期化
iPhoneが正常に起動しない、操作できない場合に使用する方法です。
リカバリーモードとは iPhoneを特殊な診断モードで起動し、iTunes/Finderからのみ操作できる状態にする方法です。
使用すべき状況
- iPhoneが起動しない
- リンゴループ(Appleロゴで止まる)
- 通常の初期化ができない
- パスコードを忘れた
- 画面が真っ暗で反応しない
iPhone 8以降のリカバリーモード手順
準備
- iPhoneをPCに接続
- Finder(またはiTunes)を開く
リカバリーモードへの移行
- 音量上ボタンを押してすぐ離す
- 音量下ボタンを押してすぐ離す
- サイドボタンを長押し(Appleロゴが表示されても押し続ける)
- PCとケーブルの画像が表示されたら、リカバリーモードに入った状態
所要時間 ボタン操作から10〜20秒程度です。
PC側での操作 iTunes/Finderに「アップデートまたは復元が必要なiPhoneに問題があります」というメッセージが表示されます。
「復元」を選択 「復元」をクリックします。(「アップデート」はデータを保持しようとしますが、初期化するなら「復元」を選択)
確認 確認ダイアログで「復元とアップデート」をクリックします。
iOSのダウンロードとインストール 最新のiOSがダウンロードされ、iPhoneにインストールされます。
所要時間 30分〜1時間以上かかります。
完了 iPhoneが再起動し、「こんにちは」画面が表示されたら成功です。
iPhone 7/7 Plusのリカバリーモード
手順
- iPhoneをPCに接続
- 音量下ボタンとサイドボタンを同時に長押し
- PCとケーブルの画像が表示されるまで押し続ける
iPhone 6s以前のリカバリーモード
手順
- iPhoneをPCに接続
- ホームボタンとサイドボタン(またはトップボタン)を同時に長押し
- PCとケーブルの画像が表示されるまで押し続ける
リカバリーモードからの脱出 リカバリーモードを中止したい場合は、iPhoneを強制再起動します(前述の各モデルの手順を使用)。
注意点
- リカバリーモードからの復元では、データはすべて削除されます
- 事前にバックアップが必要です
- eSIMも削除されます
DFUモードでの初期化
最も低レベルな復元方法で、通常のリカバリーモードでも解決しない場合に使用します。
DFU(Device Firmware Update)モードとは iPhoneのファームウェアを最も根本的なレベルで書き換えるモードです。通常は使用する必要はありません。
使用すべき状況
- リカバリーモードでも復元できない
- ファームウェアの深刻な問題
- 技術的なトラブルシューティング
注意 DFUモードは上級者向けです。間違えると、iPhoneが起動しなくなる可能性があります。通常はリカバリーモードで十分です。
iPhone 8以降のDFUモード手順
準備
- iPhoneをPCに接続
- Finder(またはiTunes)を開く
DFUモードへの移行
- 音量上ボタンを押してすぐ離す
- 音量下ボタンを押してすぐ離す
- サイドボタンを10秒間長押し
- 10秒後、サイドボタンを押したまま、音量下ボタンも同時に5秒間押す
- 5秒後、サイドボタンだけを離し、音量下ボタンは約10秒間押し続ける
- 画面が真っ黒のまま(何も表示されない)なら、DFUモードに入った状態
成功の確認
- iPhone画面:完全に真っ黒(何も表示されない)
- PC画面:「iPhoneを復元する必要があります」というメッセージ
失敗した場合 Appleロゴやケーブルの画像が表示された場合は、リカバリーモードになっています。最初からやり直してください。
復元の実行 PC側で「復元」をクリックし、通常の復元プロセスを進めます。
iPhone 7/7 PlusのDFUモード
手順
- iPhoneをPCに接続
- サイドボタンと音量下ボタンを同時に10秒間長押し
- サイドボタンだけを離し、音量下ボタンは約5秒間押し続ける
- 画面が真っ黒のままならDFUモード
iPhone 6s以前のDFUモード
手順
- iPhoneをPCに接続
- ホームボタンとサイドボタン(またはトップボタン)を同時に10秒間長押し
- サイドボタン(またはトップボタン)だけを離し、ホームボタンは約5秒間押し続ける
- 画面が真っ黒のままならDFUモード
DFUモードからの脱出 通常の強制再起動の手順で、DFUモードから抜け出せます。
DFUモードの注意点
- 画面に何も表示されないため、成功したかわかりにくい
- タイミングが重要で、何度か試す必要があることも
- 通常の問題ならリカバリーモードで十分
- Appleサポートから指示された場合のみ使用を推奨
初期化後の設定とデータ復元
初期設定の手順
初期化が完了すると、iPhoneは「こんにちは」の画面から始まります。初期設定を進めましょう。
言語と地域の選択
- 「こんにちは」画面が表示されたら、上にスワイプ
- 言語を選択(日本語)
- 国または地域を選択(日本)
クイックスタート(オプション) 別のiPhoneやiPadを持っている場合、クイックスタートで設定を転送できます。
手動設定を選択する場合 「手動で設定」をタップします。
Wi-Fiネットワークに接続
- 利用可能なWi-Fiネットワークのリストから選択
- パスワードを入力
- 「接続」をタップ
データとプライバシー Appleのデータ使用に関する説明を読み、「続ける」をタップします。
Face IDまたはTouch IDの設定
- 「続ける」をタップ
- 画面の指示に従って顔または指紋を登録
- (オプション)「あとで設定」を選択することも可能
パスコードを作成
- 6桁のパスコードを入力
- 再度入力して確認
- 「パスコードオプション」で4桁や英数字も選択可能
Appとデータ ここで、バックアップから復元するか、新規設定するか選択します。
選択肢
- iCloudバックアップから復元
- MacまたはPCから復元
- Androidからデータを転送
- Appとデータを転送しない(新規設定)
パソコンから復元する場合 「MacまたはPCから復元」を選択します。(次のセクションで詳しく説明)
新規設定する場合 「Appとデータを転送しない」を選択し、以降の設定を続けます。
Apple IDでサインイン
- Apple IDのメールアドレスを入力
- パスワードを入力
- 2ファクタ認証コードを入力(必要な場合)
利用規約 利用規約を読み、「同意する」をタップします。
Apple Payの設定(オプション) クレジットカードやSuicaを追加できます。「あとで設定」も選択可能です。
Siriの設定
- 「Hey Siri」を有効にするか選択
- 有効にする場合、音声を登録
画面表示と明るさ ライトモードまたはダークモードを選択します。
ようこそiPhoneへ 「さあ、はじめよう!」をタップして、初期設定完了です。
所要時間 5〜15分程度です。
パソコンからのデータ復元
パソコンに保存したバックアップからデータを復元する方法です。
Macでの復元(macOS Catalina以降)
前提 初期設定の「Appとデータ」画面で「MacまたはPCから復元」を選択しています。
手順1:iPhoneをMacに接続 USBケーブルでiPhoneをMacに接続します。
手順2:Finderを開く Finderウィンドウが自動的に開きます。
手順3:「バックアップを復元」を選択 「一般」タブで「バックアップを復元…」ボタンをクリックします。
手順4:バックアップを選択 バックアップのリストが表示されます。復元したいバックアップを選択します。
選択のポイント
- 日付を確認(最新のものを選ぶのが一般的)
- デバイス名を確認
- サイズを確認
手順5:パスワード入力(暗号化バックアップの場合) 暗号化されたバックアップの場合、パスワードの入力が求められます。
手順6:「復元」をクリック バックアップからの復元が開始されます。
所要時間 30分〜2時間程度(データ量による)です。
手順7:復元の完了 iPhoneが再起動し、復元が完了します。
手順8:残りの設定 Apple ID、Wi-Fiパスワードなど、一部の設定は再入力が必要な場合があります。
Windowsでの復元(iTunesを使用)
手順
- iPhoneをPCに接続
- iTunesを起動
- 画面左上のiPhoneアイコンをクリック
- 「概要」タブを選択
- バックアップセクションで「バックアップを復元…」をクリック
- 復元したいバックアップを選択
- パスワード入力(暗号化バックアップの場合)
- 「復元」をクリック
- 復元完了まで待つ
Macでの復元(macOS Mojave以前)
iTunesを使用するため、Windowsの手順と同じです。
復元中の注意
- iPhoneを接続したまま保つ
- PCの電源を切らない
- iTunes/Finderを終了しない
- iPhoneを操作しない
復元後の確認
- 写真が復元されているか
- アプリがダウンロードされているか
- 連絡先が復元されているか
- 設定が復元されているか
アプリの再ダウンロード アプリ本体はApp Storeから再ダウンロードされます。Wi-Fi接続を維持し、バックグラウンドでダウンロードが完了するまで待ちます。
時間がかかる場合 アプリや写真が多い場合、完全に復元されるまで数時間かかることがあります。Wi-Fi接続を維持し、充電しながら放置してください。
トラブルシューティング
パソコンからの初期化や復元でトラブルが発生した場合の対処法です。
問題1:iPhoneが認識されない
原因
- ケーブルの不具合
- USBポートの問題
- ドライバの問題
- ソフトウェアの問題
対処法
- 別のUSBケーブルを試す
- 別のUSBポートを試す(USB 3.0ポートを推奨)
- PCを再起動
- iTunes/Finderを再起動
- iPhoneを再起動
- iTunes/Finderを最新版にアップデート
- (Windows)Apple Mobile Device Supportを再インストール
問題2:エラーコードが表示される
一般的なエラーコード
- エラー9、4005、4013:ハードウェアの問題、ケーブルの問題
- エラー14:ソフトウェアの問題
- エラー3194:ホストファイルの問題、サーバー接続の問題
- エラー53:ハードウェアの問題
対処法
- Appleサポートサイトでエラーコードを検索
- ケーブルとUSBポートを変更
- PCのセキュリティソフトを一時的に無効化
- リカバリーモードで再試行
- 別のPCで試す
問題3:復元が途中で止まる
対処法
- 30分以上待ってみる
- インターネット接続を確認
- PCのストレージ空き容量を確認
- iTunes/Finderを再起動して再試行
- リカバリーモードから復元
問題4:バックアップから復元できない
原因
- バックアップが破損している
- iOSバージョンの不一致
- ストレージ容量不足
対処法
- 別の日付のバックアップを試す
- iPhoneを最新のiOSにアップデート後、再試行
- iPhoneのストレージを確認
- 新規設定してから、iCloudで個別にデータを同期
問題5:「iPhoneを復元できませんでした」
対処法
- PCを再起動
- iPhoneを強制再起動
- リカバリーモードで再試行
- DFUモードで再試行
- Appleサポートに連絡
Appleサポートへの連絡 自分で解決できない場合は、Appleの公式サポートに相談してください。
- 電話:0120-277-535(日本)
- Apple サポートアプリ
- オンラインチャット
- Apple Store の Genius Bar
iPhoneパソコン初期化まとめ
パソコンを使った初期化の総合ガイド
今回はパソコンを使ったiPhoneの初期化について詳しく解説しました。以下に要点をまとめます。
・パソコンからの初期化はより徹底的でトラブル時にも対処できる
・MacではFinderWindowsではiTunesを使用する
・必要なものはパソコンUSBケーブル十分なストレージ容量である
・事前にパソコンでバックアップを作成することが重要である
・暗号化バックアップを使えばパスワードやヘルスケアデータも保存できる
・通常の初期化は「iPhoneを復元」をクリックして実行する
・リカバリーモードは起動しないiPhoneを初期化できる強力な方法である
・DFUモードは最も低レベルな復元方法で通常は使用しない
・初期化後は「こんにちは」画面から初期設定を進める
・パソコンからの復元はiCloudより高速で安定している
・暗号化バックアップのパスワードを忘れると復元できない
・iPhoneが認識されない場合はケーブルUSBポートドライバを確認する
・エラーコードが表示された場合はAppleサポートサイトで検索する
・復元が途中で止まる場合は30分以上待ってから対処する
・解決できない問題はAppleサポートに相談するのが最善である
パソコンを使ったiPhoneの初期化は、iPhone本体からの初期化よりも徹底的で、様々なトラブルに対処できる強力な方法です。MacではmacOS Catalina以降はFinderを、それ以前およびWindowsではiTunesを使用します。必要なものはパソコン、USBケーブル、十分なストレージ容量で、事前に最新版のソフトウェアにアップデートしておくことが重要です。初期化前には必ずパソコンにバックアップを作成し、暗号化バックアップを選択すれば、パスワード、Wi-Fi設定、ヘルスケアデータなども含めた完全なバックアップが可能です。ただし、暗号化パスワードを忘れると復元できなくなるため、必ず記録しておく必要があります。通常の初期化は「iPhoneを復元」ボタンから実行でき、10〜30分程度で完了します。iPhoneが正常に起動しない場合はリカバリーモードを使用し、それでも解決しない場合はDFUモードを試すことができますが、DFUモードは上級者向けで通常は使用する必要はありません。初期化後の初期設定では「MacまたはPCから復元」を選択し、パソコンに保存したバックアップからデータを復元できます。パソコンからの復元はiCloud復元より高速で安定しており、30分〜2時間程度で完了します。トラブルが発生した場合、iPhoneが認識されないときはケーブル、USBポート、ドライバを確認し、エラーコードが表示された場合はAppleサポートサイトで検索して対処法を確認します。復元が途中で止まる場合は、まず30分以上待ってから対処を開始し、それでも進まない場合はリカバリーモードやDFUモードを試します。自分で解決できない問題に直面した場合は、Appleサポートに電話、チャット、またはApple Storeで相談することをお勧めします。パソコンを使った初期化は、確実で安全な方法であり、特にトラブルが発生している場合や、より徹底的なクリーンインストールをしたい場合に最適です。事前準備をしっかり行い、手順に従って実行すれば、安全かつ効率的にiPhoneを初期化できます。
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